2015年 Balanced Supercharged Engine
KAWASAKI

東京モーターショー 2007年~2015年→さらにその先へ!? カワサキ編

スーパーチャージドエンジンの流れ

過去の東京モーターショー出品モデルを振り返ってみると、あのモデルはここにつながっているのでは? と、ふと気付くことがある。そこで、2013年の内容を振り返り、2015年の東京モーターショーの出品内容へとつながる流れを見つめてみよう。また、その流れの先に何があるのかも…。

カワサキのブースで2013年に引き続き、2015年にも展示されていた過給エンジン。前回展示されたエンジンを振り返るとともに、今回のエンジンについても考えてみたい。

2013年 Supercharged Engine

カワサキが2013年の東京モーターショーに出品したスーパーチャージドエンジン。エンジンに過給機を後から付けたのではなく、過給機の搭載を前提として開発された生粋の過給エンジンであった。そのため、カワサキでは過給機付きエンジンではなく、過給エンジンと呼んでいる。川崎重工ガスタービン・機械カンパニー、航空宇宙カンパニー、技術開発本部が一体となり、すべてを自社設計・自社開発したという川崎重工渾身のエンジンなのである。しかしながら、発表当時はこのエンジンを搭載するモデルのカテゴリー、排気量、発売時期などの詳細は未定としており、エンジン単体が展示されていたのみ。

約1年後の2014年11月に、998cc並列4気筒の過給エンジンを搭載したニンジャH2とニンジャH2Rを発表。クローズドコース専用モデルのニンジャH2Rは310馬力という驚異のパワーに、570万円超(税込み価格)とこれまた驚きの値段を引っさげて登場し大いに話題を呼んだ。その公道仕様であるニンジャH2は200馬力かつニンジャH2Rの半分の値段に抑えられつつも、一般公道で過給エンジンのテイストを楽しむことができるスーパーバイクとして、これまた注目の的になった。

2015年 Balanced Supercharged Engine

そして2015年にも、新たな過給エンジンが展示されていた。今回のエンジンの名称はバランス型スーパーチャージドエンジン。川崎重工の持つガスタービン技術をフィードバックし、新たな機構を搭載した本エンジンはニンジャH2/Rに搭載されているモノよりも、ハイパワーかつ低燃費であるという。その進化を実現したのは、吸入口の手前に設置された電子制御フラップ。これによって、吸気の量や流れを緻密にコントロールすることで圧縮効率や燃焼効率が向上したのだ。

前回のスーパーチャージドエンジン同様、今回のバランス型スーパーチャージドエンジンもその詳細は明らかにされていない。ニンジャH2/Rの時のように、そう遠くないうちに次なる過給エンジン搭載モデルが登場するのではないかと期待せずにはいられない。そんな期待をあおるのが、カワサキのブースに展示されていた下のスケッチだ。

2015年 Concept SC01 -Spirit Charger-

同じくカワサキのブースに展示されていたコンセプトSC01 スピリットチャージャーと名付けられたスケッチ。その端には、「Z1、Ninja H2/H2Rをはじめとする歴代カワサキ車の魅力を受け継いだ、カワサキが想像する遠くない未来のモーターサイクル。さらに進化したスーパーチャージドエンジンにより新たな走りの世界を切り拓きます」との文言が添えられていた。

さらに、川崎重工のサイトにあるコンセプトSC01 スピリットチャージャーの紹介文には「私たちが目指しているものは高性能なだけではなく、ライダーが五感で楽しむことができるモーターサイクル」という言葉が見受けられる。となると、次の過給エンジン搭載モデルはミドルクラスなのだろうか? いずれにせよ、近いうちに過給エンジンを搭載した第二、第三のモデルが登場することは間違いないだろう。

モーターサイクル用の過給エンジン以前にも…

カワサキでは、モーターサイクル用の過給エンジン以前にもさまざまな過給エンジンを製作している。画像はカワサキ製ジェットスキー・ULTRA 310Rに搭載されているスーパーチャージャー付き並列4気筒1,498ccエンジン。最高出力は驚きの310psだ。また、この他にも航空機用のターボファンジェットエンジンや、工場の電力供給源用のガスタービンエンジンなどを手がけており、それらの技術の蓄積がモーターサイクル用の過給エンジンに活かされたのだ。


過去のコンセプトモデルをピックアップ

2013年 三輪電動ビークル『J』

J_Commuter-Mode_FA

2013年の東京モーターショーに出品されたカワサキの3輪EVコンセプトモデル・J。川崎重工ではギガセルという大容量ニッケル水素電池を製造しており、実際に東京モノレールなどに納入済み。それらはモノレールが停電で駅間に停止した際に、電車を最寄り駅に自力走行させるための電力を供給する地上蓄電設備に配備されている。

そうした川崎重工の、電池制御技術を反映したコンセプトモデルがこのJなのだ。コンフォートモード(写真右のハンドルが立ち上がった状態)と、スポーツモード(写真左のハンドルが下がった状態)の2つのモードに変形可能で、1台で街乗りとスポーツライディングを快適に楽しむことができる。